感染症を引き起こす「細菌」と「ウイルス」の違い
細菌とウイルスは、どちらも人間に感染症を引き起こす微生物です。
感染症とは細菌やウイルスなどの病原体が体に入り増殖することによって、さまざまな症状をもたらす病気です。
細菌とウイルスはその大きさや増殖能力の有無など、さまざまな観点から違いがあります。
細菌は生物であり、ウイルスは生物とはいい切れないところです。
細菌は細胞を持ち、エネルギー生産をする「生物」
細菌は下記3つの理由から「生物」であるといえます。
- 細胞を持つ
- 栄養を摂取し、そこからエネルギーを生産している
- 細胞分裂を繰り返すことによって生存・増殖もおこなっている
細胞とは生物を形成する基本単位となるもので、私たち人間を含めたすべての生物が細胞によって構成されています。
細菌はウイルスより大きく、光学顕微鏡によって観察することができます。
細菌が原因となる代表的な感染症
- 百日咳
- 梅毒
- 結核
- コレラ
- ジフテリア
- マイコプラズマ肺炎
- 赤痢
- 溶連菌感染症
- O157などの腸管出血性大腸菌感染症 など
ウイルスは「生物である」といい切れません
ウイルスは下記の理由から「生物である」といい切れません。
- 細胞がない
- 栄養を摂取したり、エネルギーを生産したりしない
- ウイルス単体は自力で増殖できない
ウイルスは細菌よりも小さく、光学顕微鏡でみることはできません。電子顕微鏡で観察することができます。 あくまでも応急処置です。
ウイルスの増殖するメカニズム
ウイルスは自力で増殖することができません。
しかしウイルスは動植物の細胞のなかに入りこむことができます。
どの生物のどの種類の細胞に入り込めるかは、ウイルスの種類によって異なっています。
動植物の細胞に入り込んだウイルスは、その細胞の機能を使って自身のコピーを増やしていきます。
ウイルスが原因となる代表的な感染症
- インフルエンザ
- 水疱瘡(みずぼうそう)
- おたふくかぜ
- 麻疹(はしか)
- 風疹
- ウイルス性肝炎(A型・B型・C型)
- デング熱
- エボラ出血熱 など
細菌のウイルスの大きさの比較
細菌もウイルスも非常に小さいものです。
細菌はヒトの細胞の10分の1程度の大きさなので光学顕微鏡で見られますが、
ウイルスは細菌よりもさらに小さく、ヒトの細胞の100~1000分の1程度の大きさですので電子顕微鏡でないと見ることは出来ません。
大きさを別のものに置き換えて相対的なイメージ
小さくて大きさの相対的な違いが分かりにくいので、スケールを替えて別のものに置き換えて考えます。
人を九州の大きさと考えると、 細菌は人程の大きさ 、 ウイルスはボール程の大きさになります。
大きさを別のものに置き換えて相対的なイメージ
※細菌、ウイルスには種類によって大きさが異なります。